気がつくと漫画を読んでいる。
近頃は、ビッグコミックオリジナルに掲載されている「岳」にはまっている。
そんな話をしていたら、山男のBACさんが
「ボブ&キャサリン書房で薦めている村上もとか作「岳人列伝」もいいですよ」
と、おっしゃったので、早速読んだ♪
>論文なら二の足も踏むが、漫画だと聞けば読んでおかなくてはなるまい(笑)
村上もとかといえば剣道漫画だと思っていた私。
「へえ〜村上もとかって、山モノも描いてるのか〜幅広い劇画作家だな〜」
というのが第一印象であった。
読み始めると、なるほど「山モノ」である。
よく海外からの客人に、
「なんでそんな漫画ばかり読んでるの?」
と呆れられている私であるが、こういう漫画とマーヴェルを混同して頂きたくない。
漫画というのは、知識もくれる(ことがある)のだ。
さて。
この漫画を読むと、「山好きバンザイ!」「命ってすばらしい!」「自然ってすごい!」ってなところに終始する「さあ、感動しやがれ!的・劇的主題」は、真の山好きに求められていないことがよくわかる。
どれだけ山を知り尽くしている人間であってもやはりたどり着けない場所があるということに、どうしようもない現実味があるのだ。
ほんのささいなことで命を落としてしまうのは、家の中だって山の上だって実は同じだ。
……とはいうものの、やはり風呂場で溺れるのと冬山で遭難するのを同列に並べるわけにはいかないであろう。
私にしてみれば、正直いって「死」と隣り合わせでいることを知りながら、それでも山に向かっていく男たちの心情というのは全く理解不能なことである。
さらに、私のようなアマちゃんの読み手が望む結末をこの作品は一切用意していない。
頂上を目指す主人公たちは、山に惹かれ、それを果たしてきっちり死ぬと、もう麓には戻ってこない。
なんというわかりやすさであろうか。
いくら人類が空を飛びまわっても、まだ地球上に神様の領域はあるんだな、という気分になる。
が、
なんもここまで死なんでも(-_-;)と、思ってしまうことも確かだ。
ついつい、大切な人たちには冬山には行って欲しくないなあ〜と思ってしまう。
雪洞の中で飲むコーヒーの味を、私は知らない。
ちょっと羨ましいような気もするし、やっぱ行きたくないなあ〜とも思う。
でもどれだけ気にかけたって、やっぱ行くんだろうな、山好きなひとらは。
私なんかからすれば、So what?な世界であっても、彼らにすれば「Because it is there」なのだから。
おそらく死ぬまで知ることがないであろう冬山の冷たさを、この漫画はちょっとだけ教えてくれた。
少し楽しかった。


