たいてい、心理学をやったことがない人か、学部生時代に心理の単位を落としたヤツに多い。
後者の言い分は、まあわからないでもない。
心理学の歴史というのは笑えるほど独断と偏見と宗教と政治に左右されている上に、しかもおもしろくもなんともなくて、夢も希望もなくて、人間不信に陥りそうになったり、自分の不幸さ加減に気づいちゃったりして、イヤになっちゃうんである。
で、問題は前者のほうだ。
人間というのは、
自分に対して肯定的な意見は、すんなり聞き入れるけど、否定的な意見は全く聞かない
という現象をおこす。
これをバーナム効果という。
なので、心理学に対して否定的な意見を、自分の意見に対して肯定的だと思えば、その人にとってそれは正しい情報になるわけだ。
どれだけ自分が心理学という学問に対して無知かどうかというのも、そこには含まれない。
なぜかというというと自分にとって否定的な情報になりうるわけで聞きたがらないから。
う〜ん、これだ。
これぞ「バカの壁」。
これで言うと、B型の人に「血液型占いを嫌う人が多い」のもバーナム効果だ。
ついでにさらに言い換えてみると、この本が売れているのもバーナム効果なのだ。
というわけで、これを逆手に取れば相手が自分の話を聞いてくれる可能性もある。
(が、自分の思うようになるかどうかなんて保障はない。あたりまえだ。)
言わせて欲しいんだけど、心理学っていうのはあくまで学問であって占いじゃないんで、心理テストとかと混ぜないで欲しいんだよな〜。
なんか中途半端に専門的なわりに、参考文献とかが少なくて参考にならないんですけど?
とはいうものの、この本の言うべきことはよくわかる。
さすが、日本心理学界第一人者。ばっさり切り刻んで隙がない。
でも、「適正テストなんてうそっぱち、心理学的根拠なんてないの」とばっさり切るなら、それで落ちた学生に「だから気にするな」と慰めるぶんには良いとして、未だにそんなテストを採用している企業に対して、他にいうべきことがあるだろう。
意味がないからやめなさい、という結論ならまだしも、結局、ひとりひとりをちゃんと見るしかないってコトなら、この本にはちょっと異論がある。
「そんなにいうならあんたが見ろや!」だ。
と、いうわけで。
この本を読んで、「え?そうなん?」と思った学生は、ちゃんとこの村上 宣寛氏のほかの本やら論文もちゃんと読まないといけません。
で、読んで、読んで読んで、ちゃんと自分で調べてから質問しましょう。
間違っても「ロールシャッハテストって根拠がないんですか?」といきなり言わないように。
わたしなら、即座にキレてスリッパが飛びます。
この本は、間違ってないけど、絶対的に正しいわけでもない、
でもそれをあなたがどう判断するかってコト。
つまり結論。
まず、学生は勉強しろや!です。


